「気這う」 プラントロンとサウンドアートによる、金魚と人間との「気這う」世界 *コンセプト 金魚は側線で「気配」を感じ取り、300〜3500HZを聞き取る能力があるという。そして、すべてのいきものは、水と酸素を共有しながら、相互の「気配」のなかで生きている。 いきものは準静電界の膜に覆われており、気配の一部は、活動することで起こりうるそれらの変化がもたらすものだといわれている。 わたしたち人間には、対象の存在そのものだけではなく、相互の気配を含めた全体を所有することを欲し、更には穢し、変化させることをも望んでいる側面がある。 金魚はさまざまな化粧(けわい)を施され、ときには「せり」という気配(きはい)にかけられる。そんな人間の気配への所有欲が生み出したいきものの金魚ではあるが、美しくあればあるほど、孤高の如く、人を遠ざける官能的な存在へと昇華されていく。その泳ぐ姿はまるで、人間の存在を意に介することもなく、気を這うかのようだ。 本作品では、京都造形芸術大学 銅金裕司教授協力のもと、植物の微弱な電位変化を測定し音に変換する「プラントロン」を水中の世界へと応用。そこから生まれるサウンドアートを媒体とし、金魚を通して、いきものと人間との相互関係のなかで存在する「気這い」を再認識できるインスタレーションを提示する。 プロフィール JyuneticA <ジュネチカ> 大阪音楽大学 音楽学部 器楽学科卒業後、 Ecole Normale Musique de Paris Programme d’executionにおいて、1ere Prix 室内楽・Piano DUOにおいて、審査員満場一致のGrand Prix 永井譲氏、山下泰夫氏、 F.THINAT, J=L.AYROLES, D.ERLIH, J=M.COTTETに師事 ANDRE JOLIVET MEMORIAL CONCERT (ENMP主催) 極東大学文化芸術祭(ソウル)、 芦屋音楽祭などフランス、韓国、日本にて様々なイヴェントやコンサートに招聘。これまでにJ=L.AYROLES, C.MAUROらと共演 2009年 夏木マリ「印象派―NEO 私たちの赤ずきん」に出演。 MNT(Mari Natsuki Terroir) 2期生。 2013年 あいちトリエンナーレにて、向井山朋子+ジャン・カルマン「FALLING」にてパフォーマンス参加。音と身体の反応についてアプローチしている。 Ecole Nationale Musique de Buzonにてコレペティトゥーアを務め、K.Weillのオマージュに取り組み、ダンサーやアクターとのコラボレーションを行う傍ら、Concours international de piano d’Orleansの広報助手として携わる。 プロデューサーのデヴィッド・ヴァレンティンによる、来年発売予定の日本、韓国、ポルトガルミュージシャンによるプロジェクトt(h)ree vol.3における、Hidekazu Wakabayashi氏の楽曲に参加。また、微分音プロジェクトとして、京都造形芸術大学教授である銅金裕司教授が開発されたプラントロンの音律を、Hidekazu Wakabayashi氏とともに創作中。 郡山女子大学短期大学部音楽科専任講師を経て、 社会福祉法人 白鳳会 西大和保育園のリトミック監修、 白鳳女子短期大学 非常勤講師、2014年度より、大和大学において非常勤講師を務める。 JyneticA http://jyunetica.tumblr.com/ https://www.facebook.com/JyuneticA Hidekazu Wakabayashi <ひでかず わかばやし> 作曲家、サウンドーアーティスト 京都のアン・ミュージックスクールにてジャズピアノを学ぶ。 2001年よりMidiプログラミングの仕事を始める傍ら、アンビエントやラウンジに影響されたピアノ曲や実験的な哀歌を作り、冬と夏の香りが混在した世界を目指す。 2008年、メキシコの電子音楽の祭典Interface Festival2008に出場、その後スプリットのEPをMandorlaよりリリース、また坂牧良太やエレーヌ・ド・クレシーによる監督作品にも音楽で携わる。 2012年にはChhiro Butterflyをゲストボーカルに迎え、dip in the pool、Takashi Moriらと共に東日本大震災チャリティーイベントArtist Action Arise in Kyotoに出演。 2014年発売予定の日本、韓国、ポルトガルのノイズ〜エレクトロニックアーティストが集うコンセプト・コンピレーションCD"T(h)ree vol.3"に参加。 アルバム内にてピアニストJyuneticAの協力の下、 京都造形芸術大学 銅金裕司教授のプラントロンを取り入れ、楽曲を制作。 またIcefaceという独自の音律を用いた微分音プロジェクトにおいても、JyuneticAのインヴェンションのモチーフを取り入れる試みを展開予定。 Hidekazu Wakabayashi https://soundcloud.com/hidekazu-wakabayashi