アーティスト

研究員&アーティスト

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島本 彩

◎あたまのなか

 異種生物の嗜好で、体形を変化させられ続ける苦痛。

 自らの種の体形が、現在と未来で異なる恐怖。

 金魚さんはまるで人間の女。纏足。コルセット。男に(人間に)従属。

 不安、生きにくさを金魚さんは感じていないのかもしれない。

 しかし、ただ、生きている、のではない。

 長い年月に溜まった祖先の奇形の疲弊が、怨念として赤い色に宿っている。

 赤に魅かれる人間は、その怨念を支配する快感に浸っているのではないか。

 

 奇形に奇形をかけあわせ奇形である身体。

 代々の可愛い金魚さんの内部に蓄積した怨念。

 

 もうそろそろ、何らかの拍子で、

 金魚さんは、爆発する。

 2013年、臨界状態。

 爆発。崩壊。次のステージへ。

 ギリギリの金魚に、いま、一時の、療養所をあげる。

 爆発前の静寂。穏やかなほんとうの超自然。

 ただ、金魚さんのためだけに、サンクチュアリを。 

 それは、癒し?毒?

 崩壊は、止められない。けれど、わたしの中にあったわずかな歓待の精神で。

 金魚養命。金魚保養。金魚水薬。金魚毒浸。

◎島本 彩、について

 武庫川女子大学 生物薬学科卒業。薬剤師。

 京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース学科、情報デザイン先端表現中退。

 京都精華大学 版画コース在籍。


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