[[アーティスト]]

*研究員&アーティスト [#tfa03a88]
**島本 彩 [#p351eaf5]

◎あたまのなか

 異種生物の嗜好で、体形を変化させられ続ける苦痛。

 自らの種の体形が、現在と未来で異なる恐怖。

 金魚さんはまるで人間の女。纏足。コルセット。男に(人間に)従属。

 不安、生きにくさを金魚さんは感じていないのかもしれない。

 しかし、ただ、生きている、のではない。

 長い年月に溜まった祖先の奇形の疲弊が、怨念として赤い色に宿っている。

 赤に魅かれる人間は、その怨念を支配する快感に浸っているのではないか。

 もうそろそろ、何らかの拍子で、

 金魚さんは、爆発する。

 2013年、臨界状態。

 爆発。崩壊。次のステージへ。

 ギリギリの金魚に、いま、一時の、療養所をあげる。

 爆発前の静寂。穏やかなほんとうの超自然。

 ただ、金魚さんのためだけに、サンクチュアリを。 

 それは、癒しか毒か。

 崩壊は止められないけれど、わたしの中にあったわずかな歓待の精神で。

 金魚養命。金魚保養。金魚水薬。金魚毒浸。

◎島本 彩、について

 武庫川女子大学生物薬学科卒業。薬剤師。

 京都造形芸術大学中退、京都精華大学版画コース在籍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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